ブラインドチャレンジとは

ブラインドチャレンジとは、二人がペアになって、一本のロープで繋がって歩いたり、走ったりする競技です。視覚障がい者がランニングを行うとき、伴走者(ガイド)を伴って走るように、ブラインドチャレンジでは、晴眼者のペアは一人がアイマスクを着用し、もう一人が伴走者(ガイド)となって、一本のロープで繋がって歩いたり、走った りします。
つまり、晴眼者はアイマスクを着用することで、視覚をオフ(OFF)にし、視覚障がい者と(視覚的な)条件を同じにして競技を行う、オフスポーツです。

ブラインドチャレンジの目的

ブラインドチャレンジは、視覚障がい者と、晴眼者が同じ条件の下で、歩いたり、走ったりして競技を行い、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しみ、お互いの理解を深めることを目的とします。

競技の概要

  1. 視覚障がい者と晴眼者のペア、もしくは晴眼者二人のペアが、規定のロープで繋がって、歩いたり、走ったりする競技です。
  2. 視覚障がい者は、ガイド(伴走・伴歩者)となる晴眼者1名と規定のロープで繋がって、歩いたり、走ったりします。
  3. 晴眼者二人組のペアは、一人はアイマスクを着用し、もう一人がガイド(伴走・伴歩者)となり、規定のロープで繋がって、歩いたり、走ったりします。
  4. 競技は、晴眼者二人のペアも、視覚障がい者と晴眼者のペアも、同じコースを、歩いたり、走ったりして競技を行います。
  5. 競技は競技者の安全を最優先とし、タイムレースと、宣言タイム制の2種類の競技スタイルで行うこととします。
  6. 競技種目および競技規則の詳細は以下の競技規則に定めます。

総則

  1. ブラインドチャレンジでは、ガイドされる視覚障がい者と、アイマスクを着用した晴眼者を「ブラインダー」と総称する。
  2. ブラインドチャレンジでは、ガイドする晴眼者を「ガイド」いう。
  3. ガイドは、基本的にブラインダーの真横で、歩いたり、走ったりする。ガイドはブラインダーよりも前に出て、引っ張る行為をしてはならない。(但し、危険回避のためにガイドがブラインダーの前に出てガイドすることは良しとする)
    ※安全対策の項参照
  4. ブラインドチャレンジに参加できる競技者について
    • 視覚障がい者(B1,B2,B3すべての視覚障がい者)
    • 晴眼者
    • 「歩いたり、走ったり」が可能なすべての競技者
    • 視覚障がい以外の障がいを持つ競技者については、各競技会において、その都度競技役員と協議の上、競技における安全が確保できると判断した場合は、競技規則を柔軟的に変更し、可能な限り参加できるように考慮する。
  5. 晴眼者の競技者は、信州伴走・伴歩協会が実施する「伴走・伴歩体験、および見えない体験」または「それに准ずる体験会」等に最低一回以上参加しなければ、競技に参加できない。
  6. 視覚障がい者の競技者も、伴走・伴歩体験がない場合、信州伴走・伴歩協会が実施する「講習会」または「それに准ずる講習会」に参加しなければ、競技に参加できない。
  7. 18歳未満の競技者は、親権者の承諾のもと競技への参加を認める。
  8. 競技は競技者の安全を最優先に競技を行う。

競技規則

① 競技種目

タイムレース形式種目

  • 10kmタイムレース
  • 5kmタイムレース
  • 3kmタイムレース
  • 1.5kmタイムレース
  • 800mタイムレース
  • 400mタイムレース
  • その他の距離のタイム制レース

宣言タイム制形式種目

  • 10km宣言タイムレース
  • 5km 宣言 タイムレース
  • 3km 宣言 タイムレース
  • 1.5km 宣言 タイムレース
  • 800m 宣言 タイムレース
  • 400m 宣言 タイムレース
  • その他の距離の宣言タイム制レース

② タイムレース形式と宣言タイム形式について

タイムレース形式について

  • スタートからゴールまでのトータルタイムが一番早かったペアを優勝者とする。
  • 同着のペアがいた場合は、そのペアは同順位として扱う。

宣言タイム制形式について

  • 競技者は、スタート前に、スタートからゴールまでのトータルタイムを予想して申告する。
  • 申告タイムに一番近かったペアを優勝者とする。
  • 申告タイムとの時間差が同じペアがいた場合は、そのペアは同順位として扱う。
  • 宣言タイム制の種目に参加する競技者は、タイムを計測するための機器(腕時計やストップウォッチ)等を携帯して、競技に参加できない。なお、競技コースに屋外時計等があった場合は、競技者はスポーツマンシップに則り、極力見ないように努力する。

③ 視覚障がい者

視覚障がい者のクラス分けについて

日本パラ陸上競技連盟のクラス分け説明表を基に以下のクラス分けを行う。

  • B1(T11,F11):光覚なしから光覚まで、どの距離や方向からでも手の形を認知できないもの。
  • B2(T12,F12):手の形を認知できるものから、視力0.03まで、または視野が5度以内のもの。
  • B3(T13,F13):視力は0.04から0.1、または視野20度以内のもの。

B2(T12,F12)およびB3(T13,F13)クラスの競技者は、晴眼者と同様のアイマスクを着用して競技を行う。

上記①のクラス分けに属さない視覚障がい者は、晴眼者と同様のアイマスクを着用して競技を行う。

④ 競技コース

  • 競技コースは、競技者の安全確保が可能な公道・私道および競技用トラック等において実施する。
  • 競技を行う場合は、その公道・私道および競技用トラック等の管理者に使用許可を得て競技を実施する。
  • 晴眼者のペアは、 競技コースの中間地点(10kmコースの場合は5km地点)で、ガイドとブラインダーを交代することができる。
  • 晴眼者ペアでガイドとブラインダーを交代する場合は、競技コース中間点に交代エリアを設け、そのエリア内で交代する。
  • 交代エリアは、概ね2m四方のエリアをコース脇の安全が確保できる位置に設ける。
  • 交代エリアは、競技コースによっては、設定しない場合もある。

⑤ アイマスク

アイマスクは、晴眼者および視覚障がい者のB2、B3クラスの競技者が「光覚をなし」の状態になる物を使用する。(写真1参照)

写真1アイマスク

⑥ タイム計測

  • タイム計測は、スタートからゴールまでを秒単位まで計測する。
  • 計測の方法は、審判員の手動でのストップウォッチ等による計測、もしくはランナーズチップ等による自動計測などで計測する。
  • 交代エリアにおいて交代を行った場合の交代時間も競技時間とする。

⑦ 制限時間

制限時間は各競技会において競技役員が検討し決定する。

⑧ ロープ

  1. 概ね80cm~100cmの長さのロープを輪にし、輪にした状態で50cm以内の物を使用する。(写真2参照)
  2. ロープの直系は1cm位の物が望ましい。
  3. ロープの素材は限定しない。(ただし伸縮しない物)
  4. ロープの色は限定しない。
  5. ロープは、一重以外で(二重、三重等にして)使用してもよい。(写真3参照)
写真2ロープ一重、写真3ロープ二重・三重

⑨ 安全対策

  1. 競技中、二人のペアは基本的に横一列になって歩いたり走ったりするが、障害物を避ける等の危険回避のため、ガイドが前に出て縦一列になることは良しとする。(写真4参照)
  2. 競技は、参加人数・競技コース等を考慮し、競技役員の判断でスタートを「時差式スタート」とする場合がある。
  3. 競技者は、競技の安全な進行を意識し(特にガイドはブラインダーの安全を意識して)競技を行う。
  4. 競技中に事故等が発生した場合は、人命救助を最優先とし、競技役員の判断のもと競技の中断、または中止をする場合がある。
写真4危険回避のため縦一列になる

⑩ その他

  • ブラインドチャレンジ競技規則は、信州伴走・伴歩協会が2019年8月1日に初版を作成し、同日より適用する。
  • ブラインドチャレンジ競技規則は、信州伴走・伴歩協会において、改定版を作成する場合がある。